2012年6月2日土曜日

Shakespeare の臺詞は,どう『詠まれる』べきか.(2)

                                      

Shakespeare の臺詞は,どう『詠まれる』べきか.(2)

切つ掛けは,こんなところにあつた.

日本の俳句は,五七五,つまり十七文字でつくられてゐると誰でもが言ふ.なるほど讀めば,字あまりの句は別として,そのとほりである.たとへば…

「ふるいけや かはづとびこむ みづのおと」芭蕉

しかしだ.たしかに目で追へば十七文字だが,これを聲にすると『間』が必要となる.いつたい,この『間』とは何なのか.そこで,文字1音分を1拍として,『間』の部分を黑丸(●)で埋めてみた.

すると…

/ふるいけや●●● / ●かはづとびこむ / みづのおと●●● /

とするのが,最も適切であると考へた.そして次に…

「さみだれを あつめてはやし もがみがは」芭蕉

の句も,この方法で表記してみた.すると…

/さみだれを●●● / あつめてはやし● / もがみがは●●● /

となつた.

如何であらう.この二つの例を見ると,なるほど『文字』は十七であるが,實は僕たちは,知らず知らずに『八拍のリズム』を刻んで句を『詠んでゐる』のだと言へないだらうか.

つまりである.あくまでも,不定形に見える『五七五』といふ文字の背後に,規律正しい『リズム』が存在する.

となると,である.俳句はたしかに十七の『文字』を用ゐるが,實は,『間』を含めれば,『八拍』×3,都合24拍のうちに,十七の文字を配して作られた『詩』といふことが言へるのである.(續く)



0 件のコメント:

コメントを投稿