『ハムレット』飜譯本文:
Scene 1 Scene 2 Scene 3 Scene 4 Scene 5
Scene 6 Scene 7 Scene 8 Scene 9 Scene 10 Scene 11
Scene 12 Scene 13 Scene 14 Scene 15 Scene 16 Scene 17 Scene 18
Scene 19 Scene 20
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Scene 19 Scene 20
Shakespeare の臺詞は,どう『詠まれる』べきか.(2)
切つ掛けは,こんなところにあつた.
日本の俳句は,五七五,つまり十七文字でつくられてゐると誰でもが言ふ.なるほど讀めば,字あまりの句は別として,そのとほりである.たとへば…
「ふるいけや かはづとびこむ みづのおと」芭蕉
しかしだ.たしかに目で追へば十七文字だが,これを聲にすると『間』が必要となる.いつたい,この『間』とは何なのか.そこで,文字1音分を1拍として,『間』の部分を黑丸(●)で埋めてみた.
すると…
/ふるいけや●●● / ●かはづとびこむ / みづのおと●●● /
とするのが,最も適切であると考へた.そして次に…
「さみだれを あつめてはやし もがみがは」芭蕉
の句も,この方法で表記してみた.すると…
/さみだれを●●● / あつめてはやし● / もがみがは●●● /
となつた.
如何であらう.この二つの例を見ると,なるほど『文字』は十七であるが,實は僕たちは,知らず知らずに『八拍のリズム』を刻んで句を『詠んでゐる』のだと言へないだらうか.
つまりである.あくまでも,不定形に見える『五七五』といふ文字の背後に,規律正しい『リズム』が存在する.
となると,である.俳句はたしかに十七の『文字』を用ゐるが,實は,『間』を含めれば,『八拍』×3,都合24拍のうちに,十七の文字を配して作られた『詩』といふことが言へるのである.(續く)
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